Sternklang Ephemera Cable

 オーディオ・ケーブルEphemera(エフェメラ)の設計思想 

 今日のオーディオシステムにおいて、再生音楽の「質」の限界を決めているコンポーネントは何でしょうか?もっと端的にいえば、最も変革の遅れたコンポーネントは何でしょうか?
  私は「ケーブルシステム」だと思います。
 音楽様式とは無関係に、芸術としての音楽には共通するものがあります。それは「まだ存在しないものたち=非存在的なものたち」が「欠性=今、ここに欠けているもの」として姿を現すということです。 ですから、オーディオシステムの究極の使命は、この「まだ存在しないものたち」の存在をリスナーに感じ取らせることです。
 当然のことながら「まだ存在しないものたち」を物理的に捕らえる(測定する)ことはできません。
 そのため、オーディオデザイナーの多くは、「まだ存在しないものたち」とポジティヴに向き合わず、物理現象としての「音」に「エゴ」を絡めてデザインしています。

 「まだ存在しないもの」をリスナーに感じ取らせる力と、オーディオシステムの受け取る振動エネルギーの代謝速度には密接な関係があると私は確信しています。つまり、「代謝速度」の大きいシステムのほうが小さいシステムよりも「まだ存在しないものたち」が姿を現しやすいということです。
 そしてそれが最も顕著に現れるのが「ケーブル」です。「まだ存在しないものたち」の立場からいうと、ケーブルの良し悪しを決める要素は電気的な特性でもマテリアルでもありません。「ダンピング」です。
 しかし、従来のような「善なる音楽信号を悪である振動から守る」というような二項対立から発想されるダンピング手法は音楽を窒息させます。そして実際に音楽を殺してきました。巷でよく言われる「制振」とか「整振」がこれにあたります。
 肝心なことは、「振動エネルギーの代謝速度を可能な限り高める」ことであり、そのための「必要最少限度の質量と圧力で共振を止める」ダンピングであり、それを可能にするケーブルデザインです。

 Ephemeraの構造

 Ephemera(エフェメラ)の導体には6mm×0.03mmという極めて薄い銅テープを使用しています。ここまで薄くなった銅テープの弾性は極めて小さく、しなやかで、共振周波数は格段に高く、かつ共振エネルギーは小さくなります。この導体を丁寧に研磨し、直後に漆を塗布して空気を遮断し、酸化皮膜の再形成を防いでいます。漆はウレタンなどの石油系樹脂と比べて極めて薄い皮膜で強靭な空気遮断性が得られます。
 そして、この導体の共振を止めるために必要な質量と圧力は、信じ難いほど小さなもので済ませることができます。通気性の良い2枚のオーガンジーを熱接着した袋状のジャケット、それだけで導体の共振を止めています。
 また、導体の幅を6mmにしたことにより、直径0.48mmの丸線に相当する断面積を有しています。Ephemeraをスピーカーケーブルとしてご使用頂いて「音が苦しくなる」というようなことは決してありません。むしろストレスのない音の出方に驚かれるでしょう。